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TOTOなんですが、このTOTOを産業ロックに含めるのは若干抵抗があります。と言うのも、
産業ロックと言われるバンドのパターンとして、それまでのバンドの方向性を転換して売れ筋路線に走る、もしくは、
Bostonのように、最初から売れ線をねらってデビューする、と言ったものです。
ところが、このTOTOは、凄腕のスタジオミュージシャンが集まって作ったバンドで、自分達のやりたい事を、超絶個人技と緻密なサウンド作りで練り上げたら、結果として大ヒットした、と言うのが私のイメージです。少なくても絶頂期までは。
当時、私はヘッポココピーバンドをやっていましたが、コピーしたくても難しくて出来なかった。
ただ、次のI'll Be Over Youは産業ロックのバラードの一パターンの要素を満たすものです。
産業ロックのバラードの一パターン=ピアノなどの鍵盤楽器で始まり、メロディーが美しくって、途中からディストーションギターやストリングス、 コーラスなどが加わって盛り上がって行くもの、出来ればギターソロがあってロック色を残しているもの。
I'll Be Over You - TOTO (1981)
TOTOは、よく聴くと個人技もすごいし、アンサンブルやアレンジも凝っています。音楽理論的にも平易ではありません。
(私にとって) でも、それを難解に聴かせないところがすごいところです。
たとえば、プロ野球の本当にすごい外野手は、どんなに難しい打球も、あっという間に落下点に入って、いとも簡単に捕球してしまう。
フェアプレーに見せることなく、通常プレーのように処理してしまう、TOTOは、そんな感じがします。
たとえば、大ヒットしたRosannaを聴いてください。多分、聴くだけでは難しくは聴こえない。
Rosanna - TOTO (1982)
このイントロのドラムパターンも、16分のシャッフルというか3連で、右手のハイハットも左手のスネア細かく刻んでいて、キックも細かいシャッフルで、
16分三連のいろんなところで鳴ります。かと思うと、通常の16分になるところもあったりします。
調も何度かかわったり、ラッパの入るタイミングが難しかったり、、、
実は、随分前、このRosannaを「社会の迷惑」でやろうと思って、
ものすごく苦労して時間をかけて、ドラム、ベース、ピアノ、オルガン、ブラスと打ち込んでいったんですが、ギターの録音で挫折してボツにしました。
(万が一、将来、私の演奏レベルが上がったら、再開するかもしれません。無いかな?)
スティーブ・ルカサーのギターは、再生速度を半分の低速にしても、一音一音をクリアに弾いているんです。他のプレイヤーの中には、速弾きを低速で再生すると、
クリアーでない音がかなり混ざっていたりします。このルカサーの正確なプレイを聴いているうちに、やる気を喪失してしまいました。トホホ。
Youtubeで”Toto Rosanna Cover”で検索すると、通常はアマチュアバンドのカバー曲がたくさん出てくるんですが、
このRosannaの場合、それよりドラマーの映像が圧倒的に多くでてきます。みんなこの比較的難易度の高い曲に挑戦しているんです。みんなプロもしくはプロ級にうまい人が多いです。(そうでない人もいます)
”Toto Rosanna Cover”の検索結果
絶頂期についてはいろいろ異論があると思いますが、私はRosannaやAfricaが含まれる、次のアルバムがピークだったと思います。
Toto IV
(1982)
これはやっぱり名盤ですね。